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ルネサンスアートが意味したもの ― 透視図法が生んだリアリズム
前回の「Opera Project」では、ブルネレスキが透視図法(パース)を確立したことを紹介しました。 今回は、その透視図法がどのようにルネサンス芸術を変革し、後の天才たちにどんな影響を与えたのかを見ていきましょう。 透視図法とは ― 平面図と立面図から生まれた立体の科学 透視図法とは、平面図(上から見た図)と立面図(正面から見た図)をもとに、立体空間を正確に描き出す技法です。 現代の3D CADもこの原理を応用して自動作図を行っています。 透視図(Perspective)は、次の二つの要素から成り立ちます。 視点(Standing Point) :見る人の「目の位置」 消点(Vanishing Point) :遠くに向かう平行線が交わって見える点 今日私たちがよく見る建築パースは2点消点法ですが、ブルネレスキが生きた15世紀初頭には、1点消点法が主流でした。 透視図法の原理(1点消点法) この写真は、ヴェネチアのサン・モイゼ教会前の、高級ブランド店が並ぶ通りを写したものです。 建物の輪郭線をたどると、すべての線が画面奥の一点に向かって集まって
読了時間: 5分


フィレンツェに学ぶ「コモンズの建設」
フィレンツェの大聖堂(ドゥオーモ) サンタ・マリア・デル・フィオーレ は、「 Opera Project(オペラ・プロジェクト) 」と呼ばれる建設方式によって建てられ、現在も同じ仕組みで維持・管理されています。 サンタ・マリア・デル・フィオーレの全景 Opera(オペラ)の本来の意味 「オペラ」は音楽の声楽劇として知られますが、語源はラテン語の opera (オプスの複数形)で、「努力・労力・仕事・奉仕」を意味します。 イタリア語では opera は「建設事業体」「工房組織」「維持管理財団」を指し、公共建築の運営母体を意味します。 市民によるコモンズの建設と維持 1331年、サンタ・マリア・デル・フィオーレの建て替えに際し、 「Opera del Duomo」 が設立されました。運営資金は市民の税金と寄付によって賄われ、建設・改修は数世紀にわたって続きました。 このドーモの建設では、1418年にクーポラ架構の設計競技が行われ、ブルネレスキの模型案が採用されました。ブルネレスキとギベルティは工事監督として、構造設計と施工技術の革新を進め、完成まで
読了時間: 3分


欧州のバカンス文化とアグリツーリスモ
イタリアには毎年多くの外国人旅行者が訪れています。ここで紹介するのは、2025年夏の夕方5時ごろに撮影したローマ・スペイン階段の風景です。観光客の姿には、家族連れ、夫婦、カップルなどが多く見られ、まさにイタリア観光の縮図ともいえる光景です。 ローマ・スペイン階段とベルニーニの噴水 統計を見てもその規模は明らかです。イタリアは2024年に年間約6,400万人の外国人旅行者を受け入れました。日本は同年約3,700万人であり、イタリアは日本の1.7倍にあたります。日本でもオーバーツーリズムが大きな課題となっていますが、イタリアはさらに規模が大きく、観光対策に追われているのです。 さらにフランスは世界最多で、なんと1億人もの外国人旅行者が訪れています。欧州諸国は総じて外国人旅行者数で世界上位を占めていますが、なぜこれほどまでに大きな差があるのでしょうか。 イタリアと日本の外国人旅行者数の推移 2001–2024 外国人旅行者数ランキング2023:世界観光機関/観光庁 理由のひとつは、欧州域内からの旅行者が大多数を占めていることです。ビジネス渡航もあります
読了時間: 3分


トスカーナのルネサンス都市(1)フィレンツエ― 巨匠たちが歩いた街
フィレンツェはイタリア中部トスカーナ州の州都であり、現在およそ36万人が暮らす中規模都市です。日本の感覚では「大都市」とは呼びにくい規模ですが、その存在感は歴史と文化に裏打ちされた比類なきものです。 今日「歴史的中心街」と呼ばれる地区は、15世紀にその骨格が完成しました。レ...
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トスカーナのルネサンス都市(2)ピエンツァ― 教皇が築いた理想都市
ピエンツァは、シエナから車で約40分、フィレンツェからはおよそ1時間40分の場所に位置する、トスカーナの小さな街です。人口はわずか2,000人ほどですが、その歴史的価値と美しい景観から、近年ますます注目を集めています。 この街の原点は15世紀、中世の時代にさかのぼります。教...
読了時間: 4分


MaaSの企業間予約サイト連携の実現
航空会社、旅行代理店、鉄道会社、タクシー会社などの予約連携は、重要なサービスである。これらの構築において、よく使われ、理解されているAPIの開発と連携が重要と考えれれると思われるが、実は、API連携は、提供する側、受ける側にそれぞれのITコスト負担がかさむ問題がある。WEB...
読了時間: 2分


地域食の循環を形成する直営店の事業計画
プレイヤーの事業計画の作成 マルシェ、コモンキッチン、ガーデンレストランに関して、プレイヤーが事業計画の提案を受ける。各自の事業項目の提示、売上想定、経費、装備計画を提出してもらう。そこで事業の主体となる法人を選定する。各施設の連携を前提に売上計画の提案もあったが、各事業が...
読了時間: 3分


直営店にて街のキャラクターを与える
マーケティングリサーチで3Km圏の生活者は、土日において7割の人が自住地区で生活し、買い物することがわかり、第一の来街者として、3Km圏の人や徒歩、自転車来街者を重視していることを述べました。実際に、Spiralのレストランで食事をしていたら、車で少しのところに住んでおられ...
読了時間: 3分


最寄中心街の重要性とマーケティング
第一 東京の街に住んでいて、豊かだと思うことが時々ある。それは、人口規模でもビルの高さでもない。超高層マンションにも住んでみたことはあるが結果的に、今は低層のマンションで暮らしている。その生活のなかで豊かだと思う時は、小さくとも賑わいある街に直ぐ行ける事に豊かさを感じている...
読了時間: 4分


Local Talent の発掘
Kick Off Meetingを通じて出会った、マルシェ、ガーデン、キッチンを支えるSpiral Playerの先生方です。 今回のKick Off Meetingを通じて感じたことは、各自が普段から考えていることを、試してみたい、実現したいと思う場所を求めていることを考...
読了時間: 2分


Kick Off Meeting
OpenまでのProject Meeting Projectの初期の段階で、開発主体とKick Off Meetingで、地域と地元の人に開発構想を発表し、参画したい人の募集を開始しました。この地元プレイヤーが「用街者」となり、街のキャラクターを与えてもらいました。「地域の...
読了時間: 1分


Master Planning of Spiral Garden OHZU
次のマスタープランは、広島のSpiral Garden OHZUのために作成したものです。 開発主体は、自社の育ったこの場所を、地元の役に立つ場所にしたいという考えでした。自社としては、商業地利用ができれば、自社所有地の資産が高まり、経営資産の拡大を拡大を図る事ができます。...
読了時間: 3分
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